工房建設奮闘記
■はじめに
2月より建設を始めた工房が、ついに完成しました。
コンクリートの土台作りから建物の建設、内装まで、全て自分たちの手で1から作り上げた工房です。
モノづくりが好きな人間が集まり、「せっかくなら工房小屋を自分たちで建てちゃえ!」と、割と簡単に始めてしまいましたが、モノづくりに関わる人間とはいえ建設に関してはずぶの素人、これがなかなか思うようにサクサクとは進まず、大変な大工事となりました。
小屋の母体となったのは、アメリカから輸入販売されているガレージ作成キット。
ホームページで見る限りでは、なんだか簡単に作れそうな雰囲気だったんですが、キットをそのまま、あるがままに組み上げようという単純なことで満足できる我々ではないw
天井には天窓をつけたいし、窓も増やしたい。入り口の屋根には、三角の張り出し部分を作り、そこも素通しにして明かり取りにしたい。作業がきちんとできる工房なので充分な照明が必要・・・等々、自らの首をしめるような無謀な計画の数々。
でも、沢山の友人が手伝いに駆けつけてくれて、ようやく完成の日を迎えることができました。
これもひとえに、皆さまのお力添えのおかげです。
今後も皆さまとともに成長していく工房にしたいと思います。
そして、何よりも、このきっかけと多大なご助力をいただいた大家さんご夫婦には、特別の感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。
皆さま、本当にありがとうございました。
■基礎作り
物置き小屋を解体し、土地を開墾・整地して、基礎作りからはじめる。
基礎をつくろうと土掘り返していたら、約60年ほど過去に豆腐屋が使っていたという、業務用の井戸が出てきた。井戸って・・・、地鎮祭とか、そういうものだよね?地球の皮膚呼吸口的なものかもしれないし。どうしたら良いものか。とりあえず「王様の耳はロバだ〜!」・・・的に叫んでみると、深い闇に水面の揺らめきが見えた。神主をしている友人の談では、井戸埋めは相当な大騒ぎになるらしい。「長い竹をとってきて、節をくりぬいて、四方に立てて、60cmづつ小石を入れながら・・・云々」・・・うん、もういいや。枠を作って、井戸はそのまま丁重に残す事に決定。
開墾した土地に、砕いたブロックと砂利を捲いて整地する。掘り返して荒れ果てていた土地が、ゴロゴロできるほどに整然とした風になってきた。
いよいよ基礎となるコンクリートを打っていく。セメント25kg+砂40kg+砂利80kg=145kg、これで1セット。
セメントミキサーを借りようとしたら電力が足りずあえなく断念。手こねで練れる量は1セットの半分なので、20セット=40回(約3t)を頑張って1週間で練り上げた。
水を入れたチューブの水面で水平を測り、1cm@1mの勾配をつけて糸張りをし、糸にそって端からセメントを打っていく。
そう。島忠や、専門家の話し方を聞いていると、どうやらセメントは”打つ”ものらしい。流しているのに、打つとは・・・いかに?水平のことは”レベル”と言っていた。ふむふむ。徐々に会話がプロらしくなってきたw
はじめの予想とは大幅に異なり、最終的にはさらに10セット追加。粗コンの下地が出来たところで、金網で補強をしながら、さらに化粧セメントを10セット。結局6tものセメントを練ることになり、2週間を費やした。うへぇ〜><
一方で、身体の調子が良くなっている気がする。半日を肉体労働についやし、半日をデスクワークという日々を続けていると、どれだけ今までが偏ったバランスで生活していたのかが分かる。
そういえば、2週間セメントを練っているせいか手の形が変わってきた。両手の甲にポコポコとコブのようなものが・・とくに親指と人差し指の間は、高さ1cmぐらいの丘になっている。むくみかと心配していたら、筋肉だそうです。人間って、2週間で形が変わるんですねw
■土台作り
予想より大幅に遅れた、基礎のセメント打ちがようやく終わり、次は小屋の土台を作る。
完成イメージでは、10cm高のセメント枠の上に小屋がのる算段。セメントを流し込むための木枠を作り、セメントを5セット練り(今度こそ最後のセメント練りだ〜!)流し込む。
最後に、今回初登場の”天端レベラー”を使用。
これはレベル調整用のゆるいセメントで、流し込むことで自然に水平面ができるらしい。
ハンドミキサーで3分間水に溶き、
10分以内で流し込む(説明書)・・・と。
え〜と、まず、ハンドミキサーが無い(汗)
ーーーとりあえず水に溶いてみる。
混ぜること1分。ダマになって溶けない・・・。
あと2分で混ぜ、10分で流し込み・・・
あと1分で混ぜ、10分で流し込み・・・
ウヒョ〜〜〜、ムリ。
ゴム手袋を装着し、最速でダマ潰し、ダマ潰し、ダマ潰し〜!
なんとか?まにあった?かな?あっ、ハンドミキサーってそういうこと?
こうして、ひたすらセメントを練るだけの地味な日々がついに終わった。
一歩前進した感じで、この先の工程に期待が膨らむ。
いよいよ次は、注文していた小屋の資材を取りに行く。
■資材搬入
コンテナで届いた小屋の資材を取りに品川ふ頭までトラックで出かけた。
コンテナの扉を開ける瞬間は、新しいプラモの箱を開ける時のような、わくわくした気持ちになる。
いよいよ小屋を建設するんだという期待が拡がる。
日通の職員さんが、コンテナの扉をうやうやしく開けてくれる。
「開けていいですか〜?」
「開けますよ〜。」
宝石店の店員さんが婚約指輪のケースを開けてみせるような、工務店の店員さんが新築の家を披露するような、人々のこうした期待と向き合う仕事って素敵だな・・・と、職員さんの笑顔を見て思う。
小屋とは関係ないけど、コンテナターミナルの売店には魚肉ソーセージがやたらと多い。種類も豊富。
大久保駅南口、帰宅ラッシュ時の駅前で荷をほどき、通行人の隙間を縫うようにして現場に運び込む。まとまっているとコンパクトに見えるものが、ほどいて運ぶとけっこうな量がある。
連日、雨が続くので、巨大なブルーシートで敷地全体にテントを張った。一面ブルーの世界。
■小屋作り
いよいよ小屋の壁を建てる。まずはセメントの土台に穴をあけ、ボルトで木の土台を固定する。
壁となる面の骨組みを作り、そこに壁用のコンパネを貼っていく。窓や扉になる箇所は事前に設計し、この段階で小屋の完成イメージが見えてくる。
壁が出来たらペンキを塗り、あとは4面の壁を組むだけ。簡単・・・ん?なんだこの重さは!?
角材とコンパネだけの壁だが、塵も積もればというか、かなりの重量に仕上がっており、男手4人はいないと持ち上がらないことになっていた。
友人が大勢助っ人に来てくれ、4面の壁が組み上がり、いよいよ家の形になってきた。
■屋根作り
4面の壁で組んだ箱の上に、屋根の骨組みを作る。
角材をかすがいで繋げ、五角の骨組みを10本、箱の上に乗せ、屋根板を打ち付けていく。
ひたすら釘打ち作業。疲れているからか?屋根の角度が問題なのか?金槌で指を5回も叩いた><
指を叩くときは爪に対して正面からが良い。側面から叩くと重症になる。左手の親指と中指、右手の人さし指、3ヶ所が重症。両利きなので両手ともやられた。
採光のため3m66cm長の天窓を2本作る作戦。1級建築士には100%雨漏りをすると言われたが、プロはすぐに出来ない方向に話を持って行くから困る。100%雨漏りをしない設計をしてみせようじゃないか!素人を侮ることなかれ!
天窓に続いて、さらにキットの設計図をアレンジ。入り口の上に三角屋根を作る作戦。この三角屋根を格子窓にして、切り出したアイロリのロゴを付ければ格好良くなる!という計画。・・・とアレンジを施し、壁や屋根の開いている箇所が徐々にふさがってくると、内装や照明関係のイメージがより具体的に見えてきた。
全体の箱が出来たら、次は屋根材を貼る作業。下地の屋根材、裏に水漏れ防止のシングルセメントを塗り、タッカーでバシバシ止めていく。天窓もはめ込み、幾重にも防水処置を施す。
下地を貼り終えたら、屋根の縁から順々に瓦のような仕上げ材を貼っていく。三角屋根の仕上げ貼りでは苦戦したものの、さすがに”仕上げ”と言うだけあって、一連を貼り終えると完成的な充実感がある。
ノラ猫の爪研ぎ場にならなければ良いのだが・・・どう見ても、それ用に作られたとしか思えないような質感をしている。
ひと通りが仕上がったところで、極め付けにキューポラと風見鶏を作る。
キューポラの中に、引き出しのついた鳥の巣箱を作った。
これで、家の外装がほぼ完成した。
■内装
室内の床に天端レベラーを打ち、平らな床が出来上がると、いよいよ陶芸窯を正式に設置。電気工事も8500wとなると簡単には運ばず、東京電力を呼んで大工事となった。
内装に、玄関、庭、水道・・・全ての配線と照明器具も決定し、窯の空焚き試運転もしてみる。窯の周囲はあまり熱くもならず、温度は順調に上がり問題無し。念のため窯の周囲の壁には、耐火用石膏ボードを張り巡らせる。
棚や水道、机など、優先順位が高いものから作っていくことに。
注文していた電動ろくろ、手捻り、粘土、釉薬・・・諸々の材料も次々と届き、徐々に収納も作っていかねば・・・。











































































